エネうる通信【コラム】

2022年8月29日

太陽光発電の今後はどうなる?売電よりも自家消費がメインに

太陽光発電は温室効果ガスの排出を抑えられ、繰り返し利用できる「再生可能エネルギー」の一つです。
自宅で発電して自家消費するだけでなく、余った電気を売ることで収入も得られるため、投資手段としても注目を集めています。

電気代の高騰やエネルギー不足、環境問題が深刻になる中、太陽光発電の導入に興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、太陽光発電の売電価格や活用のポイントなどに着目し、太陽光発電の今後について解説していきます。

太陽光発電の知識を深めたい方、導入する際のリスクやコツを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

太陽光発電の売電価格が安くなる理由

太陽光発電を導入する大きなメリットは、余った電気を電力会社に売れる点です。

太陽光発電の売電は「FIT制度(固定価格買取制度)」によって成り立っています。

FIT制度とは、太陽光をはじめとする再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定期間・一定価格で買い取ることを義務付ける制度です。電気の買取に要する費用は、毎月の電気料金に合わせて徴収される「再エネ賦課金」によって賄われています。

FIT制度を通じて、再エネ設備の導入コストの回収に見通しが立てやすくなり、再エネの普及拡大が期待されます。

太陽光発電の売電価格の推移

FIT制度の売電価格(買取価格)は、「調達価格等算定委員会」が出した意見をもとに、毎年の年度末までに経済産業省が決定しており、価格は変動します。

制度開始以来、売電価格は低下を続けています。出力容量が10kW未満の太陽光発電の場合、2009年度は48円/kWhであったところ、2022年度は17円/kWhと発表されました。

住宅用太陽光発電の売電価格は、2025年までに卸電力市場価格並みの11円/kWhとする目標が掲げられているため、今後も売電価格の引き下げが予想されます。

FIT制度の売電価格は、太陽光発電の設備金額を参考に決められています。
太陽光発電の導入や維持管理にかかるコストが低下するにつれ、売電価格も連動して低下するという仕組みです。

つまり、売電価格が10円台まで低下したことは、太陽光発電の普及拡大を意味します。

高圧の太陽光発電は投資用と自家消費用に分けよう

従来のFIT制度では、太陽光発電の出力容量が10kW以上の場合、「全量買取制度」が適用され、全ての発電電力を売電できました。

しかし、2020年度以降のFIT制度では、出力容量が10kW〜50kW未満の太陽光発電に対し、10kW未満と同様の「余剰電力買取制度」が適用されるように変更されました。

つまり、新設する低圧の太陽光発電は、発電電力の30%以上を自家消費に充当することを条件に、余った電力を売電できます。万が一、自家消費量が発電電力の30%を下回る場合、売電する権利が剥奪される可能性もあります。

以前は、低圧の太陽光発電でFIT制度を利用し、全量買取によって投資収益を得やすい状況でした。

しかし、買取に新たな条件が加わったことで、投資よりも自家消費による電気代削減の利益が大きくなっています。

今後、低圧の太陽光発電で全量買取を希望する場合は、すでにFIT認定を受けた投資物件を探さなければなりません。

太陽光発電をこれから導入してもお得なのか

FIT制度の買取価格が低下する中、これから太陽光発電を導入してもメリットがあるのかどうか、懸念を抱く方もいらっしゃるでしょう。

太陽光発電で利益を得るためには、効率的に発電量を確保することが重要です。

太陽光発電は、太陽からの光エネルギーを電力に変えて発電します。この光エネルギーから電気エネルギーへの「変換効率」は、製品の改良に合わせて向上しています。政府が発表したロードマップでは、変換効率を2020年までに20%、2030年までに25%に高めるという目標が掲げられています。

また、太陽光パネルの寿命の目安は約30年と長めです。
現在も技術開発により品質向上が図られている上、こまめなメンテナンスによりさらに長持ちさせることも可能です。

長期的な視点で、太陽光発電はますます導入が進むと予想され、得られる効果の拡大も期待できます。

卒FITを迎えた場合、どうなる?

FIT制度には、出力容量10kW未満の太陽光発電で10年間、10kW以上で20年間の固定買取期間が設けられています。固定買取期間が満了すると、電力会社の電力買取義務がなくなります。

2019年には、2009年の制度開始から10年が経ち、FIT制度を満了する住宅用太陽光発電(出力容量10kW未満)の動向を懸念する「卒FIT問題」が注目されました。

結果として、各電力会社が発表する「卒FIT向けプラン」に移行し、現在まで大きなトラブルは確認されていません。しかし、買取価格は8円/kWh前後と、FIT制度に比べて大きく下回ります。

通常、固定買取期間が満了するまでに、太陽光発電設備の導入費用は回収できると考えられています。ただし、卒FIT後に売電収入が大きく減少することは事実であるため、自家消費への切り替えや売却を検討するのもおすすめです。

太陽光発電を導入するなら今

FIT制度の買取価格が下落する中、太陽光発電を導入するのは早いに越したことはありません。今、この時期に太陽光発電を導入するメリットを見ていきましょう。

費用が安くなる

太陽光発電を導入するためには、設備の購入費や設置工事費などの初期費用がかかります。
初期費用の平均値は、2012年時点で46.5万円/kWでしたが、2021年時点では28.8万円/kWまで低下しています。

太陽光発電の導入コストが下がった背景には、太陽光発電の世界的な普及が挙げられます。
発電システムの大量生産により低価格化が進み、市場競争が激化することで製品技術や工事技術も向上しました。

多様な設置方法

太陽光発電の開発が進む中で、多様な設置方法が可能となりました。
太陽光発電において発電量を左右する重要な要素が、太陽光パネルの発電効率です。

太陽光パネルの性能が向上し、発電効率が高まることで、小型や少ない枚数のパネルでも従来の発電量を確保できるようになりました。
建物の小さい屋根や未使用のスペースも有効活用できます。

太陽光発電の課題

太陽光発電を導入するにあたっては、未だに課題も残ります。
太陽光発電を導入する際に、留意すべき点を抑えておきましょう。

導入コスト

太陽光発電の導入コストは低下しているものの、未だに数十〜数百万円が相場であり、スムーズな普及を妨げていると言えます。

ただし、各設備の性能や発電効率が向上したことで、発電パフォーマンスも向上しています。

運用・管理コスト

太陽光発電は設置後も、運用・管理のコストが継続的にかかります
パワーコンディショナーの電気代や設備の交換・修理・点検費用、太陽光パネルの清掃・除草費用なども必要です。

発電パフォーマンスを維持するためには、こまめなメンテナンスが欠かせません。

技術面

太陽光発電は太陽からの光をエネルギー資源とするため、発電量が天候や環境に左右されます。また、発電量が増加して電力の供給過剰となれば、電力会社が出力抑制を行わなくてはなりません。

電力の需給バランスを保ちながら、安定的な太陽光発電を実現するためには、蓄電池の導入や技術面での改善が求められます。

今後の太陽光発電は自家消費がメインになる?

再生可能エネルギーとして注目を集める太陽光発電には、様々な活用方法があります。
FIT制度の買取価格は値下がりが続くため、従来に比べて大きな売電収益が見込みにくいです。

今後は、売電目的だけの太陽光発電だけではなく、自家消費や家庭用蓄電池、余剰売電をメインとした太陽光発電の普及が予想されます。

自家消費を主な目的とした太陽光発電は、電気代の削減に加えて災害時のリスク対策になり、節税効果も高いです。

電気代削減

発電した電気を自家消費することで、電気代をカットできます。

2011年以降、震災に伴う原子力発電所の停止や、石炭・液化天然ガスなどの輸入価格高騰の影響により、電気料金の高騰が続いています。

国際情勢の悪化や円安が進む中、今後さらに電気料金が上昇する可能性も高いです。
このような状況下において、自ら電力を作って賄う「創エネルギー」の必要性が議論されています。

太陽光パネルの期待寿命が20〜30年であることを踏まえると、FIT制度の固定買取期間が過ぎた後も、電力の自給自足に貢献できると考えられます。

また、電気料金高騰の背景には、再エネ賦課金の増大も関係しています。

2012年には0.22円/kWhであった再エネ賦課金は、2022年には3.45円/kWhまで値上がりしました。
再エネ賦課金はFIT制度の買取費用の一部となるもので、全ての電気使用者が負担します。

つまり、太陽光発電設備の有無に関わらず徴収されるため、再エネ賦課金の増加は電気使用者の負担の増大を意味します。

太陽光発電の普及に伴い、再エネ賦課金は今後も値上がりが続く可能性が高いです。
太陽光発電を導入して自家消費をすれば、電気料金が発生しないため、再エネ賊課金を気にする必要がありません。

災害時のリスク対策

自家消費用の太陽光発電は、災害時のリスク対策としても有効です。

近年、日本では大きな自然災害が頻発しています。2022年3月には、地震による火力発電所の損傷や、気温低下による電力需要の増加の影響で、初の「電力需給逼迫警報」が発令されました。
自然災害が発生した場合、電気の供給が長時間止まる恐れがあります。

しかし、太陽光発電システムがあれば自力で発電し、非常用電源として活用可能です。
また、蓄電池を併用することで、日常生活で自家消費後に余った電力を貯蔵しておけます。
昼間や晴天時に電気を生成しておけば、夜間や悪天候時も電気を使えます。

蓄電池は電力を使い切れるほか、売電時の送電ロスをなくして最大限利用できるため、環境に優しい点も魅力的です。

節税

太陽光発電の導入は節税対策にも効果的です。

まず、太陽光発電の設備取得費と維持管理費は、経費として計上できます。
太陽光発電設備の法定耐用年数は17年であり、その期間は減価償却費として経費計上できるため、課税所得の削減により節税可能です。

また、設備のメンテナンス費やパワーコンディショナーの稼働に必要な電気代、消耗品購入費など、維持管理にかかるコストも経費計上すれば、中長期的な節税効果を得られます。

さらに、法人等および個人事業主は、自家消費を目的とした太陽光発電設備の取得に際し、中小企業経営強化税制による税制上の優遇を受けられます。

同制度では、減価償却費をまとめて償却できる「即時(特別)償却」と、税額から直接10%または7%差し引く「税額控除」のどちらかを選択可能です。

即時(特別)償却では、初年度に太陽光発電設備取得額の全額、または30%を一括で焼却できます。前年度よりも多い利益が想定される場合、即時(特別)償却を活用すれば、その年の法人税を節税できます。

税額控除では、太陽光発電設備取得額の10%(7%)を、法人税から直接差し引きます。毎年安定した利益を出している場合、税額控除を活用すれば、実質的に支払う税金額を抑えられるでしょう。

太陽光発電の活用ポイント

太陽光発電を運用する際、少しの工夫で発電効率を上げたり、コストを削減したりできます。以下で、太陽光発電を活用するポイントを見ていきましょう。

太陽光パネルの向きや角度調整

太陽光発電は太陽からの光エネルギーを、電気エネルギーに変えて発電しています。
つまり、発電量は太陽からの日射量に大きく影響されるため、いかに多くの光エネルギーを取り入れられるかが重要です。

太陽光パネルは向きや角度によって発電効率が変わり、発電量も増減します。発電効果を最大限発揮するためには、太陽光パネルの向きや角度を細かく計算し、調整する必要があります。

通常、太陽光パネルは1日の太陽光量が最大の正午に光が当たる「南向き」が理想的です。ただし、東西2方向に設置すれば、長時間太陽光を得られるという利点もあります。

また、太陽光パネルの設置角度は、少し傾斜をつけた「30度」が最適と言われています。

ただし、地域によって緯度が異なるため、適した設置角度にも差が出る可能性があります。
設置環境の気候や風土などを考慮し、専門業者とともに正確なシミュレーションをしながら、太陽光パネルを効果的に設置しましょう。

 

国や自治体の補助金

自家消費を目的として太陽光発電を導入する場合、国や各地方自治体から補助金が出ます。条件をクリアすれば併用も可能です。また、太陽光発電設備だけでなく蓄電池や、再エネ導入に向けた目標設定・合意形成も補償対象となる補助金もあります。

例えば、環境省の「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」では、太陽光発電設備や蓄電池の導入費用を補助し、蓄電池の導入が経済的メリットを持つ状態(ストレージパリティ)の達成と、脱炭素化・防災性向上を目指します。

また、東京都の「地産地消型再エネ増強プロジェクト」は、CO2を排出しない「ゼロエミッション東京」の実現に向けた助成金です。民間事業者による地産地消型の再生可能エネルギー発電設備、もしくは熱利用設備の導入費用を一部助成します。

国や自治体の補助金を利用することで、初期費用の負担を減らし、太陽光発電による利益を拡大できます。

産業用太陽光発電は今後どうなるのか

これまでの太陽光発電は、国により高額な補助金や売電価格が設定され、積極的に導入が推進されてきました。太陽光発電が徐々に普及するにつれ、補助金や売電価格は抑えられるものの、メーカーによる価格競争や技術競争が盛んになっています。

導入費用が安くなれば、多くの消費者が「自家消費用」として太陽光発電を設置するようになると考えられます。

また、FIT制度の変更により新設備の投資利益が減少した上、減価償却を終えた太陽光発電所を手放すケースもあり、太陽光発電設備のセカンダリー市場は活発に動いています。

今後、電気代が高騰する状況下では、FIT制度を活かした売電による投資よりも、電気代を抑えるための自家消費が主流となる可能性が高いです。

自家消費用の太陽光発電が増えていく理由

従来は、発電した電力を全て売ることで利益を得て、初期費用を回収するケースが多く見られました。しかし近年では、売電価格の低下と電気料金の高騰が重なり、全量売電よりも自家消費をした方が、初期費用を早く回収しやすくなりました

また、導入コストの低下も、自家消費用の太陽光発電が増加していく要因の一つです。
自家消費用の太陽光発電が普及する中、家庭用蓄電池やV2H(電気自動車と施設内の電力を繋ぐこと)に対する補助金も設けられています。

支援体制が強化されることで、今後もさらなる太陽光発電市場の拡大が予想されます。

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将来を見据えて太陽光発電を上手に活用しましょう

いかがでしたでしょうか。

今回は太陽光発電のFIT制度(固定買取制度)での売電価格の推移や、太陽光発電の活用メリットやポイントを解説しました。

値下がりが続く売電価格や導入コストの低下、電気料金高騰などの状況を踏まえると、今後は投資目的だけでなく、自家消費を見据えた太陽光発電の活用が予想されます。

市場の動向を見つつ、太陽光発電を上手に活用することで、環境保護に貢献しながら経済的なメリットを受けられるでしょう。

無料相談も受け付けているので、詳しくはエネうる公式サイトを参照してください。

この記事を書いた人

エネうる 広報部

エネうるの広報担当です。太陽光発電所の基礎知識を更新していきます。これから太陽光発電所の購入や売却をお考えの方は、ぜひご参考にしてください。

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